サボテンの接ぎ木の功罪
このように、緑のところが全くない苗は、光合成をすることができずに
自分の根では成長できないので、接ぎ木をして助ける他ありません。
普通の緑の苗から花粉を取って受粉させれば、上手くいくと緑と黄色の斑の
「斑入り」という苗ができるわけです。
これは、スーパーバラ丸という寺町氏が育種作成した種類です。
接ぎ降しを自根にしたものですが、花の時期には、体を覆うように群開します。
実生では、上手くいって2,3頭の群生しかできません、それも強制胴切しての結果で
下手すると腐ってしまう危険もあります。
このような例は、接ぎ木の良い面といえます。
エピテランサの「かぐや姫」さんです。
実生の苗を2段カット(2回胴切をしたということです)して造られた大群生です。
接ぐと、結構早く群生ができますし、簡単に自根にもなります。
ただ、自根になって数年で突然腐ることが多いのも事実です。
そんなことから、一部のマニアの間では「エピテは接がない」という常識が
定着しています。特に小人の帽子に顕著に出る特徴です。
同じような例で、スルコの接ぎ降し自根も腐りやすいことが知られています。
ただ、スルコの場合は、実生苗を実生の台木に接いだものは、降ろして自根にしても
実生苗からの群生とほとんど変わらないような気がします。
ただ、接いだ苗からとったカキコを接ぐと降ろしても弱いような気がします。
結論は、実生の台木に一回だけ接いだものはOKということでしょうか・・・
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袖が浦に、棘物、特にロビビアのフェロックスなどの強刺類や、その他の属の
棘物類を接ぐと、素晴らしい棘が発生し、扁平に育ちます。
そんな苗から、種を取って撒いてみると、普通の棘で、胴長だったりして
ガッカリすることが多いようです。
要は、袖が浦に接いである苗の姿形は信用できないということでしょうか・・・
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今回の結論は、接ぎ木というものは功罪の2面性があるものだということです。